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ラジェーシュ・チャイテャ・ヴァンガード「止まらない、終わらない、何もかも」

ポスターカラー、赤土、接着剤

縦 670cm×横 620cm × 高さ 300cmの教室の壁4面

ビハール州で描いた「未来へ」、前回のWAFで描いた「未来への学びと人間」、そしてさくら市の廃校で行われたWAFで描いた「ひとつ」。WAFとの関わりの中で、3つの大作を描いてきたラジェーシュ。4つ目の大作はこれまでの軌跡をすべて包括するものにしたいと語り、さくら市で描いた創造の神様を描くことから制作をスタートした。

地球を掲げる神。フリーハンドの不定形のドットで構成された地球の緻密さ。そこに命が生まれることの畏れがドットのひとつひとつに込められている。彼のワルリ画は、先住民族に伝わるプリミティブな壁画という概念を軽々と超え、なおかつ従来の竹筆にこだわる正統派。私たちのインスタントな考えでは追いつかない、どこまでもミステリアスな芸術家だ。

9.11や3.11をワルリ画で表現することもある。現代を描くことも彼の使命。だが、それをいたずらに嘆くのではなく、常に、それが起きた現実とは、この世界とは、という、徹底した水平目線。今回の壁画もしかり、止まらない文明の中、子どもたちは勉強して夢を叶え、学ぶことで未来を選び取る力をつけていく。そして人間の営みの根底には大地に根ざした暮らしがある。年の半分は農業をしている彼の絵にいつも登場する、頭を垂れる稲穂。その美しさといったら。

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