一滴のお水からはじまる世界のおはなし

地球は青かった!って言葉の通り、地球はほんと~に水の星。
わたしたちの体がほとんど水でできてるように、地球もほとんど水でできています。そしてそのお水のほとんどが海水。
洗濯したり飲んだり、生活に使える淡水はほんの一部だけ。
それでも、雨が降り、地面に沁み込み、川になり、海に流れ、水が 蒸発し…
ぐるぐるぐるぐる巡っているお水。
だから一見、限りがないように見えるけれど、温暖化が進んで、実は世界的にはもともと少なかった淡水が更に不足してきていて、隠れた争奪戦がはじまっています。

川が干上がってしまって外からお水をもってきている地域があったり、海外の資産家が日本の水源のある土地を買っていたり。
(この辺りは、水ジャーナリストの橋本淳司さんの「67億人の水」に詳しく出ています)

ついにお水がなくなった!という世の中になったとき、お水を売ることができれば、それほどお金になる商売はないです。
これほど生きていくのに必要なものは他にないですから。
反面日本はもともと水に恵まれていて、水道の設備も整っていて、それを飲むこともできるほど。
さらに海に囲まれ山のある土地柄では、温暖化で雨が増えると言われているので、水が足りないなんて信じられない!って感じですね。
そしてそんな淡水は、ほとんどが農業に使われています。
そして更に、そのお水が農作物に届くのはほんの一部で、ほとんどが届く前に地面に吸収されてしまいます。
そんな風にいま、世界のお水は使われています。

さて、ワルリの村はといえば…
(現状、ワルリの村での記録がないので、近めの大都市ムンバイを参考にしています)
まずは気候。気温は一年間安定していて、沖縄のよう。
そして年間の雨量は多く、東京よりも多いです。
でもその雨が4カ月に集中していて、農家のほとんどが雨水だけで農業をしているため、雨の降らない残りの季節は水がなくて農業をすることができません。
これは憶測ですが、ジャングル野菜が採れていた頃は、野菜のない季節も、米とそれで食べていけていたのかもしれません。
村人インタビューや、自分で見たものを通して感じたのは、今はジャングル自体に大木がなくなり森が弱っていて、ジャングル野菜も減っているし、天然のダムとしての土の力も落ちています。
政府や商売による大量伐採や、人口増加による開墾が原因と思われます。
でも森は今も生きていて、再生し続けています。
農業のできない村人が、その季節に就いている仕事はといえば、多くは、グラスキューブを作るのと、バルーン工場の仕事。
ちなみに現地の肉体労働の給与は、一日150~200ルピー(300~400円)です。
そんな彼らのもってる可能性。小さな土地、勤勉さ、労働力の多さ。
そこに変化を起こすことで、さらにあらたな可能性が生まれます。
こどもが教育を受けることで自分で選べる人生の幅を広げていくように、大人たちも現金を持つことで自分で選べる人生の幅を広げていくことができます。
ちなみに世界の貧困をなくす活動をしてるアメリカのおじいちゃんが、活動を通して、お金をもったときに何をしたいか、というのを聞いてきたところ、
こどもの教育費にしたいという声が多かったそう。
(ポール・ポラックの「世界一大きな問題のシンプルな解き方」という本より。読み途中だけど、灌漑での必要水量や金額まで具体的な話が載ってて参考になります)

世界の人という、ざっくりした目線でいくと、人数が一番多いのが、小さな土地をもった農民です。
でもその人たちを中心に据えた、改良的なものが作られることは少なく、もともとお金のあるところで、技術は発展しています。
そうやって開発されたものを持ち込んでも、現地では買えないし修理できないし使いこなせないのです。
でももし、その世界の大多数の人たちが、何かを手にすることで、自分で選べる立場になってこの世を作っていくとしたら、いろんな変化が起こると思います。
それはよいこともあるだろうし、悪いこともあるかもしれない。
けれど、変化してゆくことは、逃れられない、とても自然なことだと思います。
だったらできるだけ 、みんなが喜べる変化にしていきたい。
今この世の中で、一部のお金や権力で動いているものたちが、
戦争や原発や貧富をつくって世界を回しているところから何かを変えていくとしたら、わたし自身を含め、それぞれの小さな力が力をつけていくこと以外に、方法はない気がします。
と、話しが飛び過ぎましたね(笑)。
雨水利用と点滴灌漑でした。

インド全般で、灌漑(お水を使えるようにすること)設備の整備は政府の仕事になっています。
ワルリの村でも政府の掘った、プールのように大きい井戸がいくつかあります。
そこは飲み水がメインで、土地の持ち主のみ農業にも使えます。
水瓶をもった女性やこどもがそこで水を汲んで、瓶を頭に載せて帰っていく光景が見られます。
今回簡易の水質検査をしてみましたが、このお水も飲料水適応内でした。
チクファームの脇にある川の水も飲料適応内で、雨期のお水はきれいだなー!と感心しました。
川の水量も色も、乾期とは別物です。
これを劣化しないように溜めておくことができれば、いろんな用途に使えます。
ジャングルの湧水もおいしかったです。村にはいいお水があります。
その他の方法としては、ある程度の距離間をあければ、井戸を掘ることも自由です。
ただお金がかかるので、一般的に個人ではされていません。
なので井戸やポンプで地下水を引き上げるようなものを作ることもよい策です。
ただ今の村では、年々水位が下がっているので、地下水だけに頼る農場を増やしていくことは、大事な飲料水を減らしてしまうことにつながります。
そこで雨水の利用について村人に聞いてみたところ、ピタジーというおじいちゃんによれば、今まで雨水を農業に利用するということは、されてこなかったようです。
一か所に大量に溜めて配水したらいいんじゃないか、と言っていました。
(できれば個人で管理できるようなものがいいですが。大規模なものになると途端に責任のありかが不明確になるので)
デリーやダハヌでも、黒のプラスチック製の雨水タンクはよく見かけます。
なので、雨水利用自体は珍しいものではありません。
ただ農業用水になると大量過ぎて、なかなか手をつけられていないようです。
そこで点滴灌漑の登場です。
その名の通り、ぽつりぽつりと、根っこにだけ水をあげる仕組みです。
土全体にお水がなくても、根っこが水さえ吸えれば、植物は成長することができます。

ワルリの村のチクファームでも、チクの苗が小さな頃に利用していたそうで、
今回見本をくれました。給水パーツは2ルピー(4円)。
パイプを通って流れてきたお水が、小さな穴についたそのパーツから出てきて、給水されます。
ハイテクな世界では、機械が土の湿度を感知して、自動で供給を調整するようなものも開発されています。
使う水量が少なければ、用意する水量も少なくて済みます。
これもまさしく、ノコ!
自分に必要なものを知ることが、負担を減らします。
と、こんな流れで、雨水利用と点滴灌漑を考えています。
さらに雨水利用は、災害の予防にもつながります。
シードバンク&ブックカフェの現在の予定地は、アシュラムスクール横の土地で、川の脇ですが、水量が多い時はかなり川幅が広がり、建物の近くまで水面があがります。
そんなときに水が流れていく先を作っておくと、水没する危険が避けられます。
これから雨水の増えていく日本では、そういう考えが必要になっていきそうです。(Mieko)