鍛冶屋のおじさんとインドの手仕事

ワルリの人々の生活に欠かせないアイテム。
左:コイタ / 右:コイティ
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ジャングルを歩く時の必須アイテム・スリングショット(パチンコ)を作るのをはじめ、
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野菜、魚など、食材を切る包丁としても使う。ちなみに、このおじさんが切っているのは、パチンコで撃ち落とした鳥をマサラであえて、焼いたおつまみ。お皿はサーグという木の葉っぱ。
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ノコプロジェクトでも数多くの出番があるだろう、この2つの刃物。材料と同じく、道具も揃えはじめている。町のハードウェアショップに行って見たのだが、うーーーむ、イマイチ。イマサンくらいの品質しかない。

「okazuさん、村の近くにコイタ作ってる人がいるから、そこに行ってみようか?」と一緒にいたメンバーMayur(上写真で木を削っている青年)。その人は、「家」を建てるチクファームから5kmほど行ったところにいるらしい。

「ここだ」と到着したそこは、鍛冶屋さんだった。そこから出てきたのが、以前あったことのある女性だった。Mayurの幼馴染の彼女は、鍛冶屋さんの娘さんで双子。Wall Art Festivalも見に来てくれたことがあって、「今度は、いつ??Makiさん(WAF2013、2014参加アーティスト)は来るの?」と聞いてきた。そうやって心に残っているのは、嬉しいことだなぁ、としみじみ。

当のコイタ/コイティは、大量生産品でなく、一つ一つ手作りなだけあって、手にしっくりくる。いいものだ、ということが伝わってくる。
「工場で作っているものの方が安いからな。だんだん注文も減って来てるよ」と、鍛冶屋のおじさんは、声の調子を落とした。インドでは工業化が増々進んでおり、手仕事はその姿を消しつつある。誰でも携わることが出来る工場での生産に取って代わってきているからだ。工場での賃金の方がよいから、と遊牧し動物の毛を刈ってきた人々、手織りの布を織ってきた人々、特に女性たちがそれまでの仕事を止め、トラックの荷台に乗って現場に行く様子は、みていてやるせない。
ウォールアートプロジェクトのチーフディレクター・おおくには、おそらく工業製品と手仕事の二極化が進んでくだろう、と推察している。ストールなど、身につけるものはデザイン、ブランディングをし、かじ取りをうまくやれば生き残れるだろう。コイタやその他、竹カゴなどの日用品は果たしてどうだろうか。マーケットにはプラスティック製のカゴが大量に出回っている。
ノコプロジェクトでは、サードステージにおいてクラフトなど「地域に残るいいもの」に日本のアイディアを融合して産業を興すことを視野に入れている。この鍛冶屋のおじさんとのコラボレーションもありうるかもしれない。
いいものを残し、必要なものは新しく取り入れていく。それがノコプロジェクトの基本的な立ち位置。

インドの手仕事もの、おすすめです。
ウォールアートプロジェクトの協賛企業・Blue Bear Inc.が運営するオンラインショップ・青熊雑貨店。その中の「ツォモリリ」は、手つむぎ・手織のカディコットン、ローカルウールやパシュミナのストール、アンゴラの靴下、帽子などを扱うインドの手仕事ブランド。
http://www.blue-bear.co.jp/shop/tsomoriri_top.html
(okazu)