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ゆったりと流れる“村時間”の中で

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インド西部マハラシュトラ州に住むワルリ族。ジャングルに囲まれた村で稲作を営み、木や土などジャングルの素材を利用したセルフビルドの家に暮らしてきました。朝、薪で火をおこすことから一日が始まります。村の中でゆったりと流れる時間に沿った暮らしは、一見、不便なように見えて、人間が生きやすいようにできています。人々の距離間が近く、村の問題は、集会を開いて、出来るだけ自分たちで解決する。そうして、コミュニティーの結束が保たれてきました。木の樹液を発酵させて作るターリー酒は村人の潤滑油です。
ジャングルや川の恩恵に感謝し、代々生活を紡いできたワルリ族の人たちは生きる術に長けています。川に手作りの罠を設置しての魚とり、お手製パチンコで樹上の木の実や鳥を打ち落とし、おかずにします。その中には、薪に火をつけることを始めとして現代の日本で生きる私たちが、いつの間にかできなくなっていたことも多く、村で生活していると、地に足をつけて生きることの大切さを痛感します。
一方で、ムンバイと言う大都市から120kmほどに位置する彼らの村にもグローバリゼーションの波が押し寄せています。識字率が50%前後と、教育がまだまだ普及していない現状があり、都市部の人々に土地を安く手放してしまった人たちや、農閑期に生計を立てられない村の半数の人たちは、出稼ぎに出なければいけません。子どもたちは親と一緒に出稼ぎ先に行かねばならないことが多く、その場合、継続して学校に通うことが出来ません。負の連鎖が起きてしまっています。
ウォールアートプロジェクトは、「そのような問題を解決するために、教育が必要。子どもたちが自分たちの未来を考えるきっかけを作らなければ」と考える村人や学校の先生たちと出会いました。それまでインドの他地域で開催してきたウォールアートフェスティバル(WAF)と言う学校を舞台にした芸術祭を一緒に開催し始めたのは、2013年のこと。ノコプロジェクトは、足かけ3年、村人との間にコツコツと築いてきた関係性が土台になっています。
by okazu